うみのくるしみ

よっこらしょっと重い腰をあげてさ

地縁や血縁

個人的にはあまりテーマとしては置きたくないと思っている。(避けてると言われたらそれまでなんですが) それはそうと地縁からの解放を物語にした時にただの湿っぽい話でなく上京夢物語じゃなく、現実が潤うエンタメになる稀有な作家さんがいてね、山内マリコさんの話です。

今回映画化される「あのこは貴族」も読みました。もっと前に映画化された「ここは退屈迎えに来て」も原作を読み映画も見ました。映画はもうジメーッとなっちゃって、結構辛い気持ちになったのですがフジファブリックの「茜色の夕日」が流れてきて心を撃たれるというお決まりの流れに乗りました。それから私は度々、静岡県富士市に行きたいと思うようになった。決して群馬県太田市ではない。

何年も帰ってないし、私にとって田舎はもはや概念なんだが、それでもまだなお恐怖の対象であり火薬庫のようなものである。何度でも外を歩くたびに東京が好きだと思うし、東京に出てこれて良かったと思う。田舎で背中にべったり張りついた霊を振り切りたくて雑踏を歩く節がある。帰る場所はないのだ、放浪するのだ。一生フラフラしていたい。街の音を聞いて感触を確かめながら歩いている。一緒に歳をとるし同じ景色を見て生きている。東京はあったかい。敬意に溢れている。自由は諸刃の剣だとするならば愛する隣人と最高の自由を謳歌してる私はいつどこで血を流すはめになるんだろう。予定があるなら教えてほしい。だけど心中してもいい。人は一人じゃ生きられない。ああ話が逸れてしまいました。ほら湿っぽい!

山内マリコという作家の話をしたかったんでした。でも何を書きたかったかわすれてしまいました。「東京23話」と「パリ行ったことないの」という小説がおすすめです。