うみのくるしみ

よっこらしょっと重い腰をあげてさ

命が光って見えますか?

新興宗教が配ってる広報誌の見出しみたいだね。私は命、光って見えません。


去年だか一昨年だかに買った「新潮別冊 平成の名小説」に収録されてた村田沙耶香の「生命式」を読んで、命が光って見えてるんだろうなーと思ったので。


生命式

生命式

「生命式」は人肉を食べることが善しとされた世界の話で、葬式の代わりに死んだ人の肉をみんなで食べる描写が出てきます。とりあえず現代の常識と倫理で生きてる私はふつうに気持ち悪くなってしまったウゲゲ。生命式は男女の出会いの場でもあって気に入った人がいたら即連れ立って受精しに行き子どもを作りまくるという、性愛についての前提もまるで別世界のお話なんだけど。


命は神秘的でもありがたいものでもないと思ってる私は、よかれと思って小説に身体性とか本能とか引っ張って来ちゃうと失敗しそうだなと思いました。だからこそ村田沙耶香の作品はおもしろいんだけどすごく遠いところにある。


ぶっ飛んだ世界を描く常套手段なのかもしれないけど、設定に違和感をもつ主人公が不可欠。

今日は何も書けそうにない。消化不良。