うみのくるしみ

よっこらしょっと重い腰をあげてさ

自由を求める青い鳥へ

ピヨピヨピヨピヨ、ピヨピヨピヨピヨ………………………

ここ最近私の心の中にいる鳥が大変煩い。四六時中鳴いています。自由を求めて朝から晩まで鳴いてます。飼い主も制御不能で、なんだか疲れちゃってます。

鳥よ聞け。

お前は一体いつからそんな偉くなったんだ。我慢する必要なんてないんだ、自分の好きなことをやって生きていこう!なんて搾取ビジネスに影響を受けたのか?自由は諸刃の剣だと高校時代、恩師に教わったのを忘れたか? 労働をやめて寝たい、金を湯水のように使いたい、無意味な労働から解放されたい、好きなもんを好きなだけ食べたい、贅沢して快適に生きたい、子供に不自由させたくない、男の手垢がつくのがきもいので愛想の良い自分を脱ぎ捨てたい、どれも結構な願望だが今のお前にそれを可能にするだけの力があるのかと問うている。うんざりすることだらけだが、耐えなきゃいけないときもある。

いい気になるな。お前は何もしていない。ただ少し戦略的に愛嬌を振りまけるし、若いし、妻や母という分かりやすい肩書きがないから、たまに私より少し金を持っている男が近づいてくるな? だがそれはお前の実力ではない。あらゆる意味で利用されているだけだ。悪いことばかりじゃないがそれも含めて、交渉であり契約だ。勘違いするな、お前はまだ自由になれない。

 残念だ。残念極まりない。

 しがらみから、面倒ごとから、酒場でのホステス役から、他人を疎む気持ちから、役割から、不安から、未知への恐れから、お前はまだ自由になれないことを受け入れて、じゃあどうするか考えろ。鳥は少し鳴くのをやめて、飼い主に協力してほしい。お前には力がある。それだけ鳴けるんだから、いつかきっと私を取り巻くすべてから自由になれる。そのために力をつける。ひとまず鳴くのをやめて、じゃあどうするか考えることに注力しよう、いいね。ただ自由が幸福かどうかは、わからない。それは孤独で、首を絞めてくると聞いているが、それならなおさら自由を乗りこなすだけの技量をもってから手にしないとお前は死ぬ。死ぬことになる。分かってくれ。爆速でその技量とやらを身につけるから、あと少し待ってほしい。

 これまでも私は鳥を裏切らなかった。だから鳥は期待して鳴いている。願おう。自分のことだけは信じられる。